水面検証

1 コース別データ

 ボートレース下関は全国屈指のイン水面。最近1年間の1コース1着率は61.8%だ。これは徳山(64.1%)、大村(62.7%)に次いで全国3位の数字。全国平均(55.6%)より実に6%以上も高い。
 下関での最近の記念レースを見ても、今年1月のG1下関周年では1コース1着率が65.3%、昨年11月の下関SGチャレンジカップでは1コース1着率が70.2%と非常に高い数字を記録していた。今回の下関周年も一日12レースのうち8~9レース程度はイン逃げ決着になると予想するのが妥当だろう。
 1コースが圧倒的に強いため、他のコースは必然的に苦戦しがち。2コースの1着率は12.1%で全国20位、3コースの1着率は10.8%で全国22位、4コースの1着率は9.4%で全国20位、5コースの1着率は4.8%で全国21位となっている。6コースは1着率2.3%で全国5位と比較的高い。

下関コース別入着率(最近1年間)

1 コース別データ グラフ

(集計期間:2024/10/11~2025/10/10)

2 風向データ

 ボートレース下関の競走水面は周防灘に面している。方角は1マーク側が南西、2マーク側が北東だ。春から夏にかけては風向きが安定しないが、秋から冬になると北西からの季節風の影響を受けやすく、ホーム追い風基調になるケースが圧倒的に多い。
 昨年12月のデータを見ると、下関では全252レースが実施されたが、追い風が128レース(51%)、右横風が81レース(32%)、向かい風が39レース(15%)、左横風が4レース(2%)という内訳だった。今年12月に開催される下関周年も季節風が吹くなかでの戦いになることが予想され、追い風基調の一節間になる可能性が高いだろう。

下関月別風向割合(最近1年間)

2 風向データ グラフ

(集計期間:2024/10/1~2025/9/30)

3 決まり手データ

 冬の下関は追い風基調になると前述した。では追い風と向かい風ではレース展開にどんな変化が出てくるのか。2つのデータを見比べてみたい。
 追い風と向かい風で出現率に最も大きな違いが出ているのは「2コース差し」だ。追い風では9.5%、向かい風では7.4%で、追い風のほうが2%以上も高い。風の強さも重要で、追い風の風速別の2コース差し出現率を見ると、1~2mなら7.1%、3~4mなら10.9%、5m以上なら14.2%と、風速が上がるにつれて2コース差しが決まりやすくなっている。追い風が強くなると1コースから先マイした選手のターンが流れやすくなるため、2コースからの差しが効果的になる。
 3コースは追い風だとまくりの比率が上がる傾向。4コースは追い風だと差しがやや増加する。追い風の時は2コースが差し抜けるケースが増えるため、センター・アウトからのまくり差しは届きにくくなる。まくり差しの出現率は向かい風時が13.3%なのに、追い風時は8.8%しかない。

下関2~5コース決まり手出現率
(最近1年間)

3 決まり手データ グラフ

(集計期間:2024/10/11~2025/10/10)