ピックアップレーサー記者コラム




大阪支部だけでなく女子レースを牽引する実力派は、容姿もレースもクールビューティ。冷静沈着なレース運びは流麗で、多くのファンが支持するゆえんである。

デビュー当時から水面に出て練習する姿がみられたが、その努力が本格的に開花したのが2025年8月の浜名湖で開催された「第39回プレミアムG1レディースチャンピオン」である。
G1レースでは過去幾度となく優出しながらも、あと一歩で手の届かなかった”女王”の座だったが、「ここで勝たなかったら次はない!」という背水の陣で臨んだ結果がPG1初優勝であった。その表彰セレモニーでは夫の深谷知博への感謝を口にするなど、家族の理解と支えがあったことをうかがわせていた。

そして、これをきっかけに鎌倉涼はブレイクする。2025年12月のPG1クイーンズクライマックス(大村)、続いて2026年2月のPG1スピードクイーンメモリアル(鳴門)でも優勝。女子レーサー史上初となるPG1連続3優勝という偉業を成し遂げ、金字塔を打ち立てたのである。

その戦いぶりで特筆すべきは3コース戦。過去1年間(2025年7月1日~2026年6月30日)の1着率は29.0%。2着率は41.9%に及んでいる。1着率77.1%の1コース戦とともにしっかり頭に入れておきたい。





2022年3月の大村ボートレースクラシックで”逃げ”を決め優勝した『ボートレース界唯一の女子SGタイトルホルダー』は、今年6月の鳴門グランドチャンピオンでも活躍。自身2回目のSG優出を果たしている。結果はあと一歩及ばずの2着だったが、男子トップレーサー相手に勝るとも劣らないスピードとテクニックを披露したといっていいだろう。多くの男子SGレーサーが一目置くゆえんである。

そんな遠藤エミの通算優勝回数は50回。その一つがSG(上記ボートレースクラシック)だが、一方G1は以下の通りとなっている。
2017年12月(大村)クイーンズクライマックス
2021年8月(浜名湖)レディースチャンピオン
2023年8月(津)レディースチャンピオン
2024年8月(福岡)レディースチャンピオン
2024年12月(蒲郡)クイーンズクライマックス

レディースチャンピオンは今大会で40回目を迎えるが、通算3回以上優勝をしているのは遠藤エミを含め以下の3名のみである。
山川美由紀 4回(9回・14回・26回・32回)
鵜飼菜穂子さん 3回(3回.4回.5回)
遠藤エミ 3回(35回・37回・38回)
優勝すればV4タイ記録達成となる。注目したい。





静謐なまでの気迫とあふれる感謝の気持ちで勝負に臨むのが西橋奈未。
それは、高校時代の弓道で培った『心を整える訓練』から得た境地であり、また、大好きな歴史を通じて獲得した『視座の広さ』が育んだ感性であろう。

デビュー当時「力の差がありすぎます」と自らの非力を認めた注目女子は、血の滲むような努力と実戦経験を積み重ねることで女子レーサーの象徴的存在となったが、好事魔多し。2025年3月15日に丸亀で落水し、頭部に大ケガを負ってしまう。普通なら半年以上戦列を離れてもおかしくなかったが、なんと半月後の宮島G1周年記念に出場。その精神性に触れ、心を震わせた者は多かった。

しかし、本人の中には消すに消せない記憶があったのも事実。大ケガを負った丸亀で開催された今年5月のG2レディースオールスターで特別競走初Vを果たすと「他場とは違う緊張感で挑んでいました」と恐怖心があったことを打ち明けつつ「でも、いい思い出に上書きできました…」と素直に語っていたのが印象的であった。

次はG1初制覇に期待が集まるが、西橋奈未の内面に外連味はない。ただひたむきに競技に向き合うのみ。まずは、その姿勢を堪能することこそ西橋奈未の応援につながるはずである。





記念ウイナーの小野生奈の魅力は思い切りだ。躊躇なく作戦を繰り出すことで、スタート力やターンスピードを余すところなく生かせるのだ。
その成果が2017年8月の芦屋レディースチャンピオン優勝(1コース逃げ)であり、2021年2月の芦屋レディースオールスター優勝(1コース逃げ)である。

今大会の舞台となる徳山での出走回数は、過去3年間(2023年7月1日~2026年6月30日)で27走と決して多くないが、1着16本、2着6本、3着3本で勝率は8.70。1着率は59.3%に及び、2連率は81.5%、3連率に至っては92.6%とほぼほぼ連を外さない強さをみせている。当該期間中の優出は3回。内2回優勝(2025年8月ヴィーナスシリーズ・2026年5月オールレディース)と絶対軸になりうる存在といっていいだろう。

今期を含め現在3期連続でA1級を維持している小野生奈のレースはより自在性が増しており、過去1年間(2025年7月1日~2026年6月30日)の進入コース別成績を振り返ると、1コースの1着率80.3%や2コースの1着率29.7%のほか、3コース2着率37.5%などが際立つ印象である。豪快に勝ち切るだけでなく、しぶとく展開をとらえ粘るシーンも想定して予想したいところだ。





前田紗希を語るとき欠かせないのが2023年7月のアクシデント。住之江で開催されたヴィーナスシリーズで顔面を骨折する重傷を負い選手生命が危ぶまれたが、懸命なリハビリの末、復帰している。その驚異的な復活の背景には深い”人間愛”が存在している。

ひとつが父でありレーサーの前田光昭の存在だ。父もまた、レース中の事故により高次脳機能障害の現実と向き合うことになったが、それを乗り越え今なお現役である。家族愛が復帰を支えたことは前田光昭本人が語っている。

そしてもう一つは社会への眼差し。ボートレースで活躍する女性選手とファンのエネルギーを社会に届けるプロジェクト『TUGBOAT PROJECT』である。
主に経済的に困窮している家庭や子供たちの支援は、金銭面だけでなく、実際に行動し触れ合い励まし合う活動を行っている。その輪は共感を呼び社会を動かしているのだ。その輪は共感を呼び社会を動かしているのだ。

彼女のレースは、キレのいいスタートと鋭いハンドルワークが持ち味で混戦に強いのが特徴。今年2月に開催された鳴門のスピードクイーンメモリアルでは初めてG1戦で優出。2着に入り勢いづいている。
さらに今期適用勝率はキャリアハイの7.26をマークするなど上り調子だ。
大きな栄冠を得た時、皆と喜び合うシーンが想像されてしかたない。





今年5月に開催された「G2レディースオールスター(丸亀)」でファン投票1位に輝いただけでなく、「SGボートレースオールスター(浜名湖)」ではファン投票10位にランクインするなど圧倒的な人気を誇る高憧四季。彼女の魅力はあくなき向上心にある。妥協なく上を目指す姿に共感が集まるのはもちろん、それこそが強さの秘密でもある。そのレーススタイルは、完全なるコース不問。過去1年間(2025年7月1日~2026年6月30日)の進入コース別成績は以下のとおりだ。

1コース 1着率71.0% 2着率17.1% 3着率 5.2% 3連対率93.4%
2コース 1着率38.3% 2着率25.5% 3着率17.0% 3連対率80.8%
3コース 1着率28.2% 2着率23.9% 3着率23.9% 3連対率76.0%
4コース 1着率21.1% 2着率25.0% 3着率21.1% 3連対率67.3%
5コース 1着率20.8% 2着率10.4% 3着率12.5% 3連対率43.7%
6コース 1着率12.5% 2着率15.0% 3着率15.0% 3連対率42.5%

これほど完全無比なるオールラウンダーはなかなか存在しない。1艇身のスタートから繰り出される高速ターンに魅了されてみたい。





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