ピックアップレーサー記者コラム

”ホワイトシャーク”こと白井英治もいつしか49歳に。今やベテランである。
G1V13&SGV4(2025年12月15日時点)のゴールデンレーサー第1号はスマートな印象を与えるが、2022年8月にSGボートレースメモリアル(浜名湖)優勝戦でのフライングをはじめ、さまざまな試練にさらされてきた歴史を有している。普通ならば心折れてしまう状況にも耐え、逆境を乗り越えてきたのだ。
その象徴たるシーンが、2022年12月のSGグランプリ(大村)Vであり、今年のボートレースメモリアル(若松)の栄冠である。その精神性を知るファンが集い歓喜に沸いたのはいうまでもない。
結果、11月30日までの賞金ランキングを12位とし、SGグランプリには3年ぶり11回目の出場となった。
今回の戦いの舞台・芦屋は過去優勝2回。2005年10月の一般戦と2014年12月のG2モーターボート大賞である。
平均コンマ14の全速スタートを武器に攻め切る印象が強いかもしれないが、実は差しも一級品。2025年1月1日から12月15日までの2コース1着率は30.3%、3連対率は75.7%に及ぶことを忘れてはならないだろう。
ファンが慕うのは不屈の精神力。その発露を目の当たりにしたい。

池田浩二の2025年を語るとき欠かせないのが6月の戸田グランドチャンピオン。「優勝しにきました」と宣言し、現実にしたのだ。
そもそも舟足にしてもレースへの意気込みにしても大言壮語しないタイプだが、内面は違う。人として、ボートレーサーとしてどうありたいか…、その中身への決意に満ちているレーサーである。すなわちプロセスの人である。
その人間性を多くのファンが感じているからこそ、若いファンは敬意と親しみを込めて「イケコー」と呼ぶのだ。レースはキレイ、人柄は素っ気ないようで温かみがある…と。ファンが愛でるかっこよさの背景である。
レースは全方位態勢で、どのコースからでも舟券貢献するのが「イケコー流」。データは以下のとおりだ。
1コース 1着率84.2% 3連対率94.7%
2コース 1着率16.2% 3連対率78.3%
3コース 1着率22.2% 3連対率86.0%
4コース 1着率21.0% 3連対率68.3%
5コース 1着率8.1% 3連対率67.5%
6コース 1着率0.0% 3連対率38.3%
(データは2025年1月1日から12月15日まで)
2025年は賞金ランキング2位で、グランプリには5年連続16回目の出場を果たした池田浩二。その魅力は尽きない。

第一線級のボートレーサーが唸る高速旋回の実現者が馬場貴也。「あのターンはマネができない…」という声を幾度聞いたことだろう。
特に秀逸なのが「絶妙な2マークさばき」。横一線でないデコボコの隊形のどこを突くかは難しい判断を伴うが、一瞬で展開を読み切り、最高テクニックを駆使し抜け出してくるのだ。そのレースは、高い完成度ゆえ美しい。
2025年は、7月のびわこ全国ボートレース甲子園(G2)・9月の住之江高松宮記念特別競走(G1)・9月の戸田一般戦で優勝。そのほか、3月に若松で開催されたボートレースクラシックは優勝戦6着、7月徳山のオーシャンカップは優勝戦2着、11月福岡のチャレンジカップは優勝戦5着と、SG戦線でも活躍。ランキング6位でSGグランプリには5年連続7回目の出場となった。
そんな馬場貴也にとって芦屋は特別。2018年11月のチャレンジカップでSG初優勝(1コース逃げ)を飾った水面だからだ。
以降「景色が変わった」と語っているように、ものごとに対する見方や考え方を広げ現在に至っている。支部長の役割を引き受けたのは、その一端である。人間的にもレースにおいても芸術的な存在が馬場貴也。芦屋で魅了されてみたいものだ。

「ほんとうの強さを身につけたい…」。
近年、峰竜太が口にしている言葉である。
その背景にあるのは、自身が明言する身体的な衰え。「以前とは違う」変化を感じているのだ。
振り返ると、勝負の世界の厳しさの前に挫折感を味わったこともあったろうが、その都度跳ね返してきた経緯がある。原動力は「ファンが寄せてくれる期待と応援」。つまり、峰竜太はファンのために走っているのだ。希望をもってくれるファンがいる限り、闘志や向上心が萎えることはないだろう。
SGグランプリの選出ランキング8位となった2025年は、11月の丸亀周年記念の優勝のみだが、5月に丸亀で開催されたボートレースオールスターは優勝戦2着に、また6月の戸田グランドチャンピオンは優出6着とするなど、SG戦線でも存在感をみせ、上位に食い込んできた。決して衰えてはいない。
大会の舞台芦屋での強さは圧巻。通算V11としているが、内、記念制覇は6回。極めて相性のいい水面である。
2009年九州地区選
2016年周年記念
2017年周年記念
2019年周年記念
2020年周年記念
2024年九州地区選
不惑の40歳となったが峰竜太の躍動は続く。「アロハ」が見たい芦屋周年記念である。

巷では「西山貴浩にとって2025年は“キャリア最大の飛躍の年”になった」という評価がある。
7月に徳山で開催されたオーシャンカップでSG初優勝を果たしたからだ。2年連続4回目のSGグランプリ出場の起点である。
ただ、これだけでランキング9位につけられるほど、勝負の世界は甘くない。2025年はSG参戦7大会のうち4大会で予選突破。賞金を積み重ねてきたのだ。優出はオーシャンカップを含め2回。3月のボートレースクラシックでは優出3着としている。
その明るく明瞭な性格から、”1着タイプ”を想像してしまいがちだが、実は”粘りの連絡みレーサー”というのが現実。2025年1月1日から12月15日のデータにも明らかである。大いに参考としたい。
1コース 1着率71.7% 2着率13.0% 3着率6.5%
2コース 1着率12.9% 2着率22.5% 3着率32.2%
3コース 1着率4.5% 2着率27.2% 3着率18.1%
4コース 1着率7.6% 2着率17.9% 3着率20.5%
5コース 1着率9.6% 2着率6.4% 3着率19.3%
6コース 1着率0.0% 2着率3.5% 3着率17.8%

「SGで優勝できたわけでもなく決して好調だったとはいえませんが、11月の戸田周年で優勝できたことはよかったと思います」。
住之江のSG第40回グランプリ(12月21日優勝戦)を制した直後、桐生順平はこう話した。
そのSG戦線を振り返ると、5月の丸亀オールスターで優出4着、6月の戸田グランドチャンピオンは優出3着、10月津のボートレースダービーにおいては優出3着とするなど、その足取りは堅実だったと評価していいだろう。
グランプリ優勝賞金1億1000万円を加算した年間獲得賞金額は2億3612万666円。2017年以来、2度目の「賞金王」に輝いている。
そんな桐生順平だが、ボートレース界の頂点に立ちながら「またイチからやり直します」と語っている。「(ともに戦ったライバルたちは)整備や調整によって舟足を大きくアップさせたり、レースへの取り組み姿勢が自分と違う」からだという。このまま現状に甘んじていたのではファンの期待に応えられないと感じているのだ。
2026年は1月3日からの戸田正月レースからはじまるが、これに続くのが1月12日からの芦屋周年記念。どういうカタチでリスタートを切るのか…、新生・桐生順平が注目されてならない。
