今回の九州地区選手権競走には8名の女子レーサーが参戦する。
川野芽唯・深川麻奈美・小野生奈・竹井奈美・渡邉優美・小芦るり華・山本梨菜・米丸乃絵である。その内の4選手のみどころを探ってみた。
小野 生奈
2022年2月の宮島一般戦から2023年3月の若松一般戦までおよそ1年1カ月の休みを経たが、まったくブランクを感じさせなかったのが小野生奈。以降優出は21回を数え、優勝は5回に上っている。
特に、2025年は25大会に出場し優出回数は10回(V3)。安定感バツグンである。
そのレースの特徴はスピード感と自在性。高速ターンを繰り出しながら、状況に柔軟に対応できるのが小野生奈だ。それを証明しているのが2026年前期適用勝率7.42。枠番に関係なく予想の軸となる存在である。
経験を重ねることで調整力もさらにアップしており、期待に応えるバックグラウンドを持ち合わせている小野生奈。活躍を期待したい。
渡邉 優美
2025年を振り返ると、参戦女子中最も優勝回数が多かったのが渡邉優美。3月の若松ヴィーナスシリーズを皮切りに、7月の戸田ヴィーナスシリーズ・8月の住之江一般戦・9月の江戸川ヴィーナスシリーズ・10月の芦屋ヴィーナスシリーズを制している。
その結果が2025年の第14回クイーンズクライマックスへのエントリー。ランキング4位で出場を果たしている。
そんな渡邉優美の勝負は全方位型。さらにコースごとに特徴があるので覚えておきたい。
1コースは逃げ
2コースは差しとまくりの両面で1着取り
3コースはまくりとまくり差しの両面作戦で1着・2着
4コースは差し追走の2着
5コースはまくり差しの2着
6コースは最内差しの3着
…である。その自在戦に注目したい。
小芦 るり華
「いい時と悪い時がハッキリしていて、ちょっと調子を崩すと負の連鎖が続いてしまうのが自分…」。こう自己分析するのは小芦るり華。確かにそういう流れは顕著で、今年9月の常滑一般戦は8走して1着なし。2着1本、3着4本と振るわなかった。
しかし、それ以降は復調。9月末の大村オールレディースから5節4優出と足掛かりをつかんでいる。
その走りについて、2025年1月1日から12月24日までのデータを分析すると、1コース1着率は75.0%とかなり高く、2コースや3コースの1着率も30%近くあり信頼に値する。とりわけ3コースの3連対率が76.8%に及ぶのを忘れてはならないだろう。常に明るくハツラツとレースするのが小芦るり華。舟券作戦の軸となる存在としてマークしておきたい。
米丸 乃絵
人気とともに実力をあげてきたヴィーナス世代の中心的存在、米丸乃絵の躍進が著しい。
2026年前期、勝率を6.61まで上げ初めてA1昇格となるからだ。
この2026年前期の対象期間となる2025年5月1日から、2025年12月24日までのコース別成績は次のとおりだ。
1コース 1着率61.5% 3連対率89.6%
2コース 1着率22.7% 3連対率72.6%
3コース 1着率29.6% 3連対率77.7%
4コース 1着率7.6% 3連対率72.9%
5コース 1着率15.0% 3連対率60.0%
6コース 1着率0.0% 3連対率45.3%
この実績が物語っているのは「調整力」「判断力」「レース力」。
素質を努力によって開花させている米丸乃絵は、もはや伏兵ではない。





