ピックアップレーサー記者コラム



2005年11月に若松でデビュー以来、2026年前期までの通算42期でB級だったのはわずか5期しかない逸材だが、G1初優勝(2020年9月徳山ダイヤモンドカップ)まで15年、SG初V(2025年7月徳山オーシャンカップ)まで19年8カ月を要した苦労人である。

そのレースぶりが2025年4月1日~2026年3月31日のコース別成績に表れている。
1コース 1着率72.0% 2着率11.6% 3着率6.9% 3連対率90.6%
2コース 1着率11.4% 2着率37.1% 3着率22.8% 3連対率71.4%
3コース 1着率 0.0% 2着率24.3% 3着率19.5% 3連対率43.9%
4コース 1着率 5.4% 2着率24.3% 3着率8.1% 3連対率37.8%
5コース 1着率 6.6% 2着率 6.6% 3着率23.3% 3連対率36.6%
6コース 1着率 0.0% 2着率 3.7% 3着率22.2% 3連対率25.9%

意外なのは、驚くほどコースなりの成績であること。そして2着3着率の高さである。
つまり、西山貴浩は希代のエンターテイナーでありながら、ボートレースのスタンダードの表現者であるということ。ここに「誠実さ」が見え隠れする。


「もう一度、僕に力を貸してください!」
峰竜太は最近、ファンに向けこう発信し続けている。
それが、今年3月の蒲郡ボートレースクラシックで一つのカタチになった。
自身7回目のSGタイトルに、多くのファンが酔いしれ、涙した。

「自分だけでは勝てない…」。これは、しびれるような大舞台を数々経験し失敗も成功も繰り返してきたトップアスリートだからこそ辿り着くことのできた境地。まさに”至言”である。
つまり、ボートレースは、選手のものでも業界のものでもなく「ファンのもの」であるという実感なのだ。
ボートレースクラシックの表彰セレモニーで、「ウイニングランの光景をもう見ることがないかもと思い、目に焼きつけようとしました…」と言葉に詰まったが、その澄んだ心にファンは感動したことだろう。なぜなら、それはファンにしか創り得ない光景だったからだ。

賞金ランキング1位を走るなか、最終目標は年末のグランプリV。「もう一度夢を」見るためのストーリーはまだまだ続く。
参戦する芦屋は好相性で通算V11。うち2回が九州地区選手権、4回が周年記念である。直近の周年記念優勝は2020年5月、オール2連対での栄冠であった。優勝候補筆頭として、ファンとともにその動向に注目したい。


1999年2月16日生まれの124期生は養成所のリーグ戦勝率1位の7.04をマーク。さらに修了記念競走でも優勝し将来を嘱望され2019年5月に唐津でプロデビューした。
峰竜太一門として上野真之介の薫陶を受け、結果に走らず足もとを固める努力を積み重ねてきた経緯を忘れてはならない。
2025年のボートレースダービー(津)優勝後、末永和也がこう話したことがある。
「自分たちは、試運転して調整整備して試運転という行動を繰り返します。それは違和感や不安要素を見つけるため。良くするというよりもマイナス点を見つけ消していく作業です」。

デビュー7年弱で優勝21回。2023年2月の九州地区選手権(若松)をはじめ、今年1月の尼崎ボートレースバトルチャンピオントーナメントまで、G1は優勝4回。SGV1のヤング世代第一人者でありながら、どこかしら控え目で、我をみせるようなところがない背景には、一つひとつの作業を丁寧に積み重ねていける誠実さがあるのだろう。

賞金ランキングは4月12日時点で5位につけているが、その上をゆく峰竜太(1位)・定松勇樹(2位)・池田浩二(3位)・西山貴浩(4位)の4人いずれもが芦屋周年記念に参戦する。真面目で実直な勝負に注目したい。


多くを語らないが、池田浩二は”美学の人”である。
人として、レーサーとして、生活者として…。

決して威張らず、驕らず、権威ぶらず。ごく普通に見えるのに、実はすごい。それも『キレイに美しく勝ってくるからこそカッコいい』と多くの若いファンに感銘を与えている。
「イケコー」という愛称は誰彼となく広まっていったものだが、そこには深い敬意が込められていることは、疑いようもない。
今年5月に浜名湖で開催されるSG第53回ボートレースオールスターで18,983票を獲得。4位でドリーム戦メンバーに選ばれたこともその証左である。

今年は3月の児島周年記念で優勝。賞金ランキングは3位につけており、その児島を含め、1月の尼崎BBCトーナメントから3月の尼崎周年記念まで連続優出。流れが極めていい点はしっかり押さえておきたい。

戦いの舞台となる芦屋は2010年のモーターボート大賞以来優勝はないが、不安要素はまったくない。誰にもマネのできない自在戦で、混戦をさばき上がってくるはずだ。
特に、過去1年間(2025年4月1日~2026年3月31日)の成績で、28.9%の1着率を誇る3コース戦と2連対率53.8%を誇る2コース戦に注目したい。


言わずもがなだが、2025年のグランプリウイナーで賞金王、MVPレーサーである。
黄金のヘルメットを戴冠した際、「グランプリ優勝戦出走前のしびれるような感じが好き」と語ったのは記憶に新しい。それは1年間の積み重ねの集大成の緊張感。不断の努力が背景にあっての感覚である。

そのグランプリ表彰セレモニーで桐生順平はこうも語った。
「周囲の選手を見ていて自分にはない取り組みを感じた。2026年はイチからやり直したい」。
その歩を進め、早や4カ月が経とうとしている。何事もそうだが、大事を成そうとする時ほど進捗は容易ではない。前進後退を繰り返す中、諦めずに取り組んだ者に与えられるのが記念タイトルだ。動向を注視したい。

ちなみに、過去1年間(2025年4月1日~2026年3月31日)のコース別成績は以下の通り。しぶとさが表れているデータは要チェックだ。

1コース 1着率66.6% 3連対率90.1%
2コース 1着率 7.8% 3連対率63.1%
3コース 1着率16.6% 3連対率58.3%
4コース 1着率12.8% 3連対率79.4%
5コース 1着率15.7% 3連対率55.2%
6コース 1着率 3.8% 3連対率46.1%


ボートレース界を代表するトップレーサーは単に強いだけではない。
円満な人柄で、周囲への配慮を怠らない視野の広さが光るナイスガイである。

そんな馬場貴也が「あれから景色が変わった」と語ったレースがある。
2018年11月の芦屋チャレンジカップだ。
インから押し切りSG初優勝を果たしたが、G1初優勝(びわこ周年記念)はその1年8カ月後のことだった。つまりそれまでは大会のメインたる存在ではなかったのである。

しかし、タイトルを獲得したことで落ち着きと自覚が生まれたのであろう。以降の活躍ぶりは言うまでもない。

その高速ターンはすさまじくトップレーサーをして『マネができない』と言わしめるほどだが、それを支えているのが調整力。「自分は、ターンがしっかりできるよう伸びよりも出足を意識しています」と語っている。初動のかかりをはじめ、旋回中のグリップ力や押し感があるというコメントが出ている時は調整良好と判断していいだろう。

そして、忘れてはならないのが2コース戦。過去1年間(2025年4月1日~2026年3月31日)の1着率は17.0%だが、2着率は41.4%と極めて高率をマークしているのだ。センター勢を封じる2コース戦を見逃してはならない。


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