ピックアップレーサー記者コラム



2024年は一般戦での優勝1回という白井英治。
ただ地元のSGへの思いは誰よりも強い。
オーシャンカップポイントを積み重ね、選考順位は15位で地元のSGへの出場を果たした。

ただ、白井英治にとって地元のSGは出るだけの大会ではない。

地元、徳山でのSG優勝。
2018年徳山で行われたグランドチャンピオンで優勝した時には、ボートから降りてウィナーインタビューに向かう白井英治は泣いていた。
SGの優勝は2回目。初優勝での涙はなかった白井が声を上げて泣いていた。
それだけ白井にとっての地元、徳山という舞台は気持ちが入っていたに違いない。
表彰式では、大勢のファンの声援を受け、「もう一度、徳山でSGがしたい」と話していた。
ただ、2023年の徳山グランドチャンピオンはSG競走選出除外だった為、出場出来なかった。

自身、2度目の徳山でのSGの舞台。
2018年、優勝したときに師匠「今村豊さん」が言っていた言葉。「徳山でのSGタイトルを山口県外へ出すな」

今村さんの言葉は、白井英治の心に刻まれているはず。
ホワイトシャークが地元徳山での2度目のSGタイトルに牙をむく。



今期フライング2本でオーシャンカップ後90日のフライング休みに入る毒島選手。
現在のルールでは2026年前期の級別はB2級に降格となる。
F2本持ちで参戦となったSGグランドチャンピオン決定戦の選手紹介では「走れることの喜びをしっかりと感じながら1節間頑張りたいと思います」と。「そして気持ちは強く持っている」とも話していた。
昨年のグランプリ覇者の毒島誠の今年、グランプリに向けての戦いは終わってしまったのか・・・?
いや、まだ終わっていない。

毒島誠にはスタートを補える整備・調整力。そしてスピードある旋回力がある。
オーシャンカップで賞金を上積みしてチャレンジカップへ、そしてグランプリへ。
オーシャンカップは2012年から2022年まで11年連続出場。うち4回の優出と2018年には優勝もしている。
夏は好きだという毒島にとって実績のある大会だ。

簡単な青写真でないことは、本人が一番わかっているだろう。
でも、ファンは逆境に負けない毒島誠の姿を思い描き期待している。

毒島誠の真価が問われるこれからの戦い。
フライング休み前、最後の戦いオーシャンカップが毒島誠をより強くする。



8年連続、通算10回目となるオーシャンカップ出場。
2021年・2023年には優勝戦まで駒を進めている。
滋賀支部のほほえみの支部長が今、レーサー人生で最大のスランプに陥っている。

今年春先からプロペラ調整がわからなくなり、走り方もわからない。
最近は不甲斐ないレースばかりで、そんな僕の舟券を買ってくれるお客様に申し訳ない気持ちしかない。
自分自身、うまくかみ合っていない、何かチグハグになっている。
レースから逃げ出したくなる事も。ボート人生の中で一番苦しい時期だと話す馬場選手。
ボートに乗る事が楽しくない。選手を辞めたいと思った。

それでも戦いは続いていく。
走り続けている。

同期や先輩に気持ちを聞いてもらい、アドバイスをもらう。
初心に帰ってデビュー当時の調整やハンドルの切り方、走り方を試している。
試行錯誤を繰り返し、この苦しい時期を乗り越えようとあがいている。

もう落ちるところまで落ちたと思う。
だからここから這い上がっていくしかない。と気持ちを切り替えて前を向いている。

ボートに乗るのが楽しい。
レースがしたい!
そう、思える日が1日でも早く来るように。

狭い艇間を突き抜け、舳先を浮かせ華麗に舞う馬場貴也のターンを早く見たい。
ファンはいつまでも待っている。



「ALOHA(アロハ)!!」
オープニングセレモニーやウィナーインタビュー等で一体となる、峰流ファンサービス。実はこの「ALOHA」にはいろんな意味がある。
思いやり、調和、喜び、謙虚、忍耐の5つのハワイ語の頭文字を組み合わせたものだ。
たった一言にこれだけの思いを詰め込んでいる。
ボートレースもたった数分の短い時間に数々の思いが詰まっている。

2017年にSG初優勝を飾ったのが第22回丸亀オーシャンカップ。「泣き虫王子」呼ばれ、思いやりの涙もよく流す。そんな彼の嬉し涙の悲願達成。「ガチガチに緊張した!声援を全部自分へのものだと思って走りました」まさにファンの声を力に変えたのだ。

2020年の第25回鳴門オーシャンカップでは4号艇で優勝を飾った。「すごく楽しめました。SGは1枠じゃないと優勝する資格はないと思っていたが、気持ちがあれば取れるものなんだと感じた」この年はSG2V含め14Vを飾っている。

今年はここまで優勝がない。
もう2年ほど前に選手としてのピークは過ぎた。ただ突出しているレース脳はあると語っていた。
峰竜太の第二章なのか第三章なのか、本人しかわからない。
SG6Vうち2Vはオーシャンカップ。しかも、ところは瀬戸内。
峰竜太の瀬戸内オーシャンアロハ、すべてひっくるめて見てみたい。



徳山は13優出5V、うちG1戦は6優出4Vの実績あるドル箱水面だ。
2012年9月の徳山新鋭王座決定戦(現ヤングダービー)でG1初制覇のメモリアル水面でもある。

今年は1月のG1常滑BBCトーナメントを皮切りに宮島・児島・鳴門3連続V含め5回の優勝。
他の特別競走でも4優出としており、6/29現在ここまでの獲得賞金ランキングは3位につけている。

オーシャンカップは記憶に新しい、前回第29回大会の覇者。
ディフェンディングチャンピオンだ。
2014年平和島グランプリの衝撃的なSG初制覇から、9年7カ月振りのSG戴冠。
チルト1度のセッティングで、攻めの気持ちと超絶ターンが噛み合った瞬間だった。
「めっちゃうれしい!取りたいと思いながら、なかなか取れないのは何かが足りないのかなと思っていた」と笑顔と少し涙ぐむ姿に共感した。

今年の特別競走のファイナル切符は3枠までにおさまっている。
6号艇と4号艇の劇的な勝利の瞬間は記憶にとどめた。

さあ、今年の舞台は徳山だ。
まだSGを取っていない無類のドル箱水面で、オーシャンカップ連覇に挑戦する。



2年前の徳山グランドチャンピオンで、平成生まれ初のSG覇者が誕生!
その前年のG1徳山クラウン争奪戦の優勝戦1号艇で人気を集めた。G1の優勝戦では初めての1号艇だった。
コースに動きがあったとは言え、追い風9mの厳しい気象条件だったのも間違いない。ただ後に、自身の問題と語っている。G1戦で、選手生活で一番出ていたかもというくらいにモーターは仕上がっていたのに、自分に負けた。気象条件との勝負だとわかっていたのに、それに負けましたと。
ただ苦杯をなめただけではない。
その悔しさは、その2カ月後の丸亀G1、さらには翌年の徳山グランドチャンピオンでリベンジに成功。

徳山で負けた経験があるから勝てたと思う。
自分はそれだけ徳山で成長させてもらったと感謝しているとも。

去年は目立った成績を残せず、2年連続で出場をしていたグランプリも不参加で不完全燃焼。
今年は早々に、地元常滑で正月レースを制し、同じく地元でG1初制覇を決めた。津地区戦や丸亀オールスターもファイナル入り。
着実な足取りの上半期、そろそろ好調の波を確かなものにしたい。

成長の場である徳山で、大仕事を成し遂げそうな予感がしてならない。




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