2連対率トップは56.3%の56号機。初おろしから寺田千恵(2着)、竹田吉行(3着)が2節連続でファイナル入りするなど優出回数は12号機と並びトップの5回。
6月の「三国男女W優勝戦」では田中信一郎が優勝を飾っている。これまで9節使用されてA級選手が6節。若干乗り手に恵まれている感じもするが〝優秀モーター〟といっていいだろう。


ボートとともにモーターも今年2月28日の「第27回日本財団会長杯水仙花賞」から更新されていて周年記念までにそれぞれ10節以上使用されている ボートとともにモーターも今年2月28日の「第27回日本財団会長杯水仙花賞」から更新されていて周年記念までにそれぞれ10節以上使用されている


12号機は近況上り調子のモーターだ!
12号機は初おろしの久田敏之が優出3着。11戦して4連勝を含む5勝を挙げた。4月の「マクール杯」の藤原碧生(優出2着)も9戦4勝、オール3連対の活況ぶり。
近況も古結宏(4着)、齊藤仁(2着)と連続優出中だ。
当地現行モーターの最速機は17号機
17号機は秋元哲が5月16日の「にっぽん未来プロジェクト競走in三国」4日目第1Rでインから押し切って当地のモーターで最速となる1分47秒1の好タイムをマーク。
自身も優出(2着)を果たしたが、17号機は56号機同様に初おろしから2節連続で優出(大瀧明日香が5着、渡辺浩司が1着)していて注目モーターのひとつだ。
63号機は優出歴が豊富!
63号機は5月の「にっぽん未来プロジェクト競走in三国」の小林遼(4着)、「三国巧者決定戦」の天野晶夫(2着)、「BOATBoyカップ」の森照夫(4着)と3節連続優出と上昇ムードが漂う。

地元の強豪が集う5月のGWシリーズ「GW三国ボートフェスタ」で選手間でも評判だったのが萩原秀人の62号機と佐藤悠の43号機 地元の強豪が集う5月のGWシリーズ「GW三国ボートフェスタ」で選手間でも評判だったのが萩原秀人の62号機と佐藤悠の43号機
62号機は萩原(優出3着)を含め4優出して1V(5月の三国巧者決定戦で前田滉が優勝)と好実績を残すが、初おろしから金子猛志が体重ハンデを感じさせない動きで
「(モーターは)力強い。伸び型にしたら伸びが結構いいし、出足型ならレース足がよかった」と手応えも良好だった。

43号機は宮地元輝が6月にオール3連対V
43号機はGWシリーズで佐藤悠が優出2着。3カドからコンマ37とスタートで遅れながら1周バックで強力に伸びて着順を奪ったのが印象的だった。
その後は宮地元輝が6月の「福井ユナイテッド杯」で7戦5勝、オール3連対で優勝を飾っている。
まくり一撃で波乱を演出するか、21号機
あと気になるのが6月の「BOATBoyカップ」で山田竜一がVの21号機。これまで25勝を挙げているが、その内、逃げ8勝に対してなんとまくりが9勝(残りは差しとまくり差しが4勝ずつ)。
「GW三国ボートフェスタ」で自身も5勝を挙げている地元の松田祐季も「パワーがあったし結構出ていましたよ」と高評価を与えている。


SGタイトルホルダーは最多12冠の松井繁を筆頭に瓜生正義、池田浩二、桐生順平ら出場選手の約半分の25人。地元勢はSG覇者でもある今垣光太郎と中島孝平の他に武田光史、萩原秀人、松田祐季、下出卓矢の6人が強力遠征勢を迎え撃つ図式だ。〝近代ボート〟のSG、G1で活躍するためには伸びが必要だが、それに加えて当地は乗り心地も重要となる。調整が合うか、合わないか。まずは地元選手がプロペラも含めた調整面で〝地の利〟があるのか最近3年の全国と当地の勝率をみて比較しよう。


結論からいうと地元6選手はいずれも当地勝率が全国勝率を上回っていた。中でも今垣は全国勝率7.38に対して当地勝率は8.26と約1点近くも高かった。さすがは地元エースといった感じで三国は他場を走るときよりも〝1、2割増し〟の評価が必要。最近3年では2023年11月のSGチャレンジカップも含めこれまで15節走って10優出、優勝は5回。安定感は抜群で、55歳のベテランになっても頼れる存在だ。武田、中島、松田、下出はいずれも全国勝率よりも当地勝率の方が0.5程度上昇。萩原は全国勝率7.12に対して当地勝率7.22と微増だが、高い数字を残しているのは何とも心強い。

今垣以外で当地勝率8点超えは(8.55)、池田(9.25)、山口剛(8.37)、桐生順平(8.08)、上條暢嵩(8.06)。池田は23年11月のチャレンジカップ(優出5着)1節のみの成績で鵜呑みにはできないが、08年10月の55周年記念を制していて相性はよさそう。上條は昔から好成績を残している水面だ。


当地でまだ優勝歴がないのは森高一真、吉田拡郎、和田兼輔、篠崎仁志、大上卓人、椎名豊、豊田健士郎、若林義人、前原大道、末永和也、竹間隆晟、西岡顕心の12人。大上は19年9月の当地ヤングダービー前から当地は苦手としているイメージが強い。SG覇者の森高や篠崎仁も実力を考えれば当地は成績が伴っておらず過信は禁物だ。
西島義則や石川真二、江口晃生の様に内コースを狙う存在はいないが、守田は外枠なら進入から動きをみせそう。その結果、スロー勢が深い進入になれば、ダッシュ勢に出番のシーンは一考したい。スタートは、菊地孝平や原田幸哉ほどの〝速攻派〟はいないが、守田、池田、稲田浩二、宮地元輝、上野真之介、深谷知博はスタートタイミング、発順ともに優秀。好モーターを手にすれば、豪快な攻めをみせるか。

(データ集計期間:2022年7月1日~2025年6月30日)

基本的に一年を通してホーム追い風。強くなれば差しが幅を利かすシーンも
ボートレース三国は、周囲を小高い丘に囲まれた長方形のプール型水面です。淡水で水質は硬めで、地元選手も「乗り心地を重視して調整します」という声が多いです。また、日本海に近いため夏場は海風、冬場は強い季節風が吹き荒れ、安定板を装着してレースが行われることが増えます。年間を通してホーム追い風の日が多く、コース的にはやはりインが強めで⑥コースは厳しいです。
ただ、昨年5月から今年4月までのイン2連対率は72.77%で、住之江、びわこ、尼崎の近畿4場の中では最も低く、全国平均の72.91%にも僅かに及びません。〝特筆〟なのは②コースの強さです。その2連対率は44.79%で近畿4場で最も高く、全国平均の38.99%を大きく上回っています。ホーム追い風が強いと1マークの旋回でインが流れ、②コースからの差しが決まるシーンが増えます。

追い風の強弱が〝カギ〟を握っていることは、春夏秋冬の季節別データを見ていただければ分かっていただけると思います。春は2コースの2連対率が41.83%、夏は44.85%、秋は44.23%に対して、追い風が強くなる冬は47.24%と一気にハネ上がります。夏は冬に次いで②コースが幅を利かすため、「追い風が5メートル程度吹けば、②コース差し」が合言葉となるかもしれません。
地元のA1レーサー・松田祐季選手も「三国は水面が広いし硬いから乗り心地を求めないとレースができません。インは強いけど、②コースの差しや④コースからの差しとまくりが決まるイメージがあります」と話しています。一方で「外からのまくり差しは乗り心地が仕上がっていないと決まらない」そうです。

冬場は逃げと差し。夏場は逃げが多め
秋口に開催された2023年9月の70周年の決まり手は、全72レース中、逃げが50回で最多でした。差しは5回です。実力者が争うG1戦はやはりイン優勢ですが、24年11月末から12月にかけて行われた71周年では、逃げが37回と約半分程度で、差しは15回と70周年の3倍の数字でした。
このデータを見ても、基本はインが強いのですが、ホーム追い風が強くなれば差しも決まるな……と、柔軟な思考で臨みたいところです。
高配当を狙うならインが1マークで流れ、複数艇に差されるケースか
インや②コースが強い水面ですが、人気を背負うインが飛んでビッグ配当が出るケースが多いのも三国です。前述の松田祐季選手も「三国は1マークがメチャメチャ回りづらい。スタートで後手に回るとハンドルの〝切りシロ〟がなくなって厳しいんです」と話しています。インの取捨選択が、高配当が取れるかどうかのカギを握っています。
強いホーム追い風が吹いているときは、②コースから差す選手で高配当を狙っても面白いでしょう。また、舟券予想で参考となるのが三国ボート場のオリジナルデータです。展示タイムは手動計測ですが、その他の「半周ラップ」「まわり足」「直線」のタイムは自動計測で信頼度が高いです。選手も、どちらかと言えば展示タイムよりもこちらを重視する傾向にあります。
